銀座・古美術 祥雲からの展示会情報やお知らせです

祥雲のHP www.shouun.co.jp
ブログ:はやまそうそうhttp://hayama-sousou.jugem.jp/
<< September 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 勾玉〜石を身につける 華蔵Vol2より | main | Ancient Progressiveness 古代の先進 >>
紙のほとけと和紙 華蔵Vol2より
展示会「紙のほとけ」


今年
1月に行なわれた“和鏡展”に続き古美術入門展として、“紙のほとけ”を開催いたします。謹厳な精神を伝える古写経や仏像の胎内に納められていた印仏、摺仏などの仏教版画。仏像や仏画制作の手本となった図像抄、和紙と墨で身近なものとして美術、工藝の美しさを伝える拓本などを展示いたします。

紙のほとけと和紙

和紙の伝わった道は佛教美術伝来の道でもありました。中国で発明された製紙技術は朝鮮半島を経て6世紀頃日本に伝わりました。中国式の製紙方法は「溜め漉き」といわれるもので、日本に渡った後に和紙独特の「流し漉き」へと発展し、より強く質の高い紙が作られるようになりました。日本には8世紀以降の絵画、版画、経典、文書などが数多く残っています。これほど古い時代の紙を使用した文化財が豊富に現存しているのは、和紙の存在が非常に大きかったと言えます。またあまり知られていませんが西洋美術にも和紙は関わっています。西欧に中国の「溜め漉き」の技術が伝わったのは日本よりもかなり遅れた12世紀になってからです。著名な画家レンブラントは和紙に着目して日本からわざわざ入手し、彼自身の芸術作品にも使用しています。

また近年、国内外において紙の文化財の修復に和紙が使われ、その価値が見直されています。和紙はその強度から実用に優れているだけでなく、書や美術作品の料紙として染料で染め、金、銀、色とりどりの顔料などで装飾するなど、雅やかな作品の素材として使われてきました。一方着色しない和紙の肌合いに映る書や版画などの墨の色は素朴でありながら味わい深く感じます。今回の“紙のほとけ”ではそれらの素材である和紙にも着目してほしいと思っています。日本の芸術文化に大きな役割を担ってきた和紙を見つめ直し、千数百年の時を越えた写経や古代、中世の仏画、版画を鑑賞することでその魅力を感じていただけたらと思います。(関 隆)


*冊子”華蔵”については祥雲のHPをご覧下さい。www.shouun.co.jp